Apple Musicを使った方が良い理由 pt.2
こんにちは。
中学の頃に見たニュース番組で、北朝鮮の金正日総書記の伝説特集みたいのをやっていて「若い頃、馬に乗って山を一つ飛び越えた事がある」という伝説を北朝鮮の民衆は信じているという話の時に、デーモン小暮閣下が「分かんないけど、それ、馬がすごいんじゃないの?」と言った回が好きです。
前回のコラム”Apple Musicを使った方が良い理由 pt.1”を読んでいただいた方ありがとうございました。音楽ストリーミングサービスの歴史を延々と語ったあげく、Apple Musicに一切触れないというタイトル詐欺をぶっかましましたが、今回はApple Musicの魅力をブラックミュージック好きの観点から語りたいと思います。
様々なジャンルの三千万曲が聞き放題!
まず、Apple Musicとは、iTunes Music Store等のネット上における音楽をデータとして販売するという形態を牽引してきたApple社が提供する音楽ストリーミングサービスであり、前回書いたような、いわゆる定額制のサービスと同じで、月々980円(個人プラン)でApple Music上に提供されている音楽が聞き放題になるというサービスです。
Apple MusicはApple社が提供する音楽ストリーミングサービス
Apple Musicを利用出来るデバイスは以下の通りです。
基本的に世の中の人が利用しているであろうPCやスマホ等でほとんど利用出来るサービスです。
Apple Musicに登録する事によって、Apple Musicライブラリに登録されている楽曲が聞き放題になります。「Apple Musicライブラリ」とは、Apple社がストリーミングサービス用に提供しているオンライン上の音楽ライブラリで、様々なジャンル、アーティストの楽曲が三千万曲以上が登録(サービス開始時)されています。これらが聞き放題になるわけです。
ブラックミュージックの配信曲が豊富!
それら三千万曲の楽曲ですが、正直、邦楽の配信曲は少なめです。日本におけるメジャー作品は一部しか配信されていません。なので、邦楽好きの人にとっては、あまりオススメ出来ません。LINE MUSICやAWAの方が国産のサービスである以上、邦楽は強そうです。
しかし、逆に洋楽はかなり豊富です。特に、HIP HOPやReggae、R&B等のブラックミュージックはかなーーり豊富です。ほぼ思いついて探してみて、無かった曲は無いです。
例えば、"Buju Banton"で検索すると、これらが全て聞き放題。つまり、これはFREE BUJUなのだ!
レゲエの名盤やHIP HOPの名盤などの噂を聞きつけたら、その場でその曲を聞けるワケです。今までは、そのような状況でYouTubeでチマチマ聞いていた曲が、遥かに優れた音質で曲単位どころかアルバム単位で聞ける訳です。
プレイリストがヤバい!
このように、それぞれのアーティストの作品を一つ一つ検索して聞くという、これまでレコードショップでしてきた事がオンライン上でしかも定額で可能になっている訳です。
しかし、Apple Musicの本当のすごみはこれだけではありません。Apple Musicには「プレイリスト」というものが存在します。(他ストリーミングサービスにもありますが)
「プレイリスト」とは、アーティストの代表曲がまとめて聞けたり(はじめての〜シリーズ)、今の気分や状況に合うような曲をまとめて聞けたり(アクティビティプレイリスト)、年代別に流行っていた曲がまとめて聞けたり(年代別プレイリスト)するシステムです。
アクティビティプレイリストは、今の気分や状況に合った曲をまとめて聞く事が出来る。クッキングに関しては、PUFFYが出てきたりします。クッキングする前にカニ食べに行ってしまうわ。
この「プレイリスト」 がすごいのは、今までは知らなかった"自分が好きな"アーティストや楽曲と出会える事です。
ある一曲が好きになり、そのアーティストの曲を聞いてみたいけど、アルバムもいっぱいあるし、どこから聞けば良いか分からない。というような時に、このプレイリストを利用する事で、そのアーティストを気軽に掘る事が出来ます。
また、誰しも「この曲が好きなんだけど、似たような感じの曲知らない?」とか「こんな雰囲気に合う曲知らない?」となった事はあると思います。それらの疑問に高次元で回答してくれるのが、このプレイリストというシステムです。
自分の好きな曲が入っているプレイリストを頭から再生すると、自分が好きな雰囲気の曲が場の状況に合わせて再生され、さらに新たな"好きな"曲と出会う事が出来ます。もうYahoo知恵袋に質問しなくていい訳です。
自分の好きな曲を学習してくれる!
このようにApple Musicでは、様々な使い方があり、その結果として、まだ見ぬ楽曲に出会えたり、好きなアーティストをより深く掘れたりして、自分の音楽の幅が広がって行く訳です。
さらに、このApple Musicがすごいのは、その人が聞いている曲やアーティスト、ジャンル等を学習し、その人が好きであろう曲をオススメしてくれる事です。つまり、一人の好きなアーティストや曲を見つけたら、それ以外のその人が好きであろう楽曲やアーティストにただ好きな曲を聞いているだけでドンドン出会う事が出来るのです。
”For You”はその人が好きであろう曲やアルバム、アーティストをオススメしてくれるサービス
つまり、前述したような"好きなアーティストをより深く掘ってくれるサービス"や"好きな曲を学習して、さらにオススメしてくれるサービス"が合わさる事によって、単純により音楽に詳しくなる事が出来ます。
Apple Musicは最高のブラックミュージックのDigり場
そして、このプレイリストというシステムにおいて、個人的に一番すげーと思ったのは、自分が好きなアーティストのルーツやそのアーティストが与えた影響を知る事が出来るプレイリスト(影響を与えた/影響を受けた サウンドシリーズ)が存在する事です。
影響をうけたサウンドシリーズは、自分が好きなアーティストが聞いてきた曲を知る事が出来る。
自分に好きなアーティストがいて、そのアーティストが聴いてきた曲や、そのアーティストに影響を受けた後世の楽曲等は、嫌いであるはずが無く、より好きな音楽に出会えるのです。例えば、EMINEMを聞いていると、ドレーからケンドリックラマーまで、果てにはN.W.AやMobb Deep等のクラシックにまでたどり着く訳です。
特に、リメイクやサンプリングが多く用いられているブラックミュージックについて言えば、これを聞くと、うわーあの曲リメイクだったのかよ!とか、これあの曲にサンプリングされてね?と、新しい発見が止む事はありません。(もっと言えば、サンプリングやリメイクされている楽曲ばかり集めたプレイリストもあります。)
Apple Musicの豊富な楽曲数と知識に裏打ちされたこれらのサービスによって、それぞれの音楽に対する探究心が素人玄人問わずに自然と刺激されて、より音楽に接する機会とそれぞれの音楽の幅が広がるのは間違いないでしょう。そして、忘れてはならないのが、これらが月額980円で実現されているという事です。
音楽の新たな形
まだまだ紹介したいサービスはありますが、これまで書いてきたようにApple Musicはかなり魅力的であり、それが安価で提供されている事によって、確実に今後の音楽の聞き方が左右されるであろう新しい媒体である事はお分かりいただけたと思います。
もちろん、このストリーミングサービスには賛否両論あるのは当然でしょう。アメリカではこのサービスが"Buffet (ビュッフェ)"と表現されますが、これまでは、商品としてが2000〜3000円でアルバム一枚単位で取引されていた物が月額980円払えば"食べ放題"になってしまったわけです。
しかし、これまで"無料"でしかも"違法"にまずい飯(音質が悪い)を食べていた人たちに、月額980円で合法的に美味い飯を食べれる場所を提供出来るようになった訳です。しかも、普段カレーしか食べてない人に、意外とラーメンもうまいよ?と食べられる幅まで広げてくれるのがこのサービスです。
ただ、やりすぎるとKanye Wastの新作のように、より違法ダウンロードを促進する事になります。
個人的には、このサービスでより音楽に深く接する事によって、逆に音楽に対する物欲が刺激されてCD等の購入に動いたり、LIVE等の動員数が増加したり、今後の音楽業界に良い点がかなりあるのではないのかと期待しています。だって、これまで狭い視野で音楽を聴いていた人たちに、こんな音楽もあるよ!音楽のこんな楽しみ方もあるよ!と大々的に提案できるプラットホームが出来た訳ですから。今後の動きに期待しましょう!
以上!あざっした!